目から落ちたウロコの数を数えるブログ
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    今日は2年間のMBA生活最後の授業の日。学びを締めくくる最後のケースは人気バンドU2とそのボーカル、Bonoが主人公。

    アイルランドの同じ学校に通っているという共通点しか持っていなかった高校生4人が集まって結成したバンドは、1987年にアルバム"The Joshua Tree"で発売開始僅か28時間でプラチナム(売上100万枚)を達成し、一気に世界最高の地位まで駆け上がった。しかし、この成功で自分達も想像していなかったような富と名誉を手に入れた事で4人は戸惑い始め、周囲のプレッシャーもあって初めて自分達の音楽に迷いが生じる。ちょうど同じ時期、Bonoは頼まれて何気なく訪れたエチオピアで世界に蔓延る貧困と出会い、それが歴代国家指導者の怠慢によって先進国への債務返済が膨れ上がった結果の構造的な問題だという事も知る。

    ここで話はちょっと飛ぶのだが、結論を言うと以後U2は葛藤し、解散の危機に瀕しながらも常に新しい事に挑戦し、世界で起きている様々な出来事について自分達なりのメッセージを送り続けるという音楽のスタイルを確立させる事に成功し、世界中に熱狂的なファンの層を作り上げた。そのおかげでツアーを行ったりアルバムを発売しない年でも、既存アルバムの売上やロイヤリティー収入だけで年間2.5億ドルもの売上を記録している。そしてBonoはアフリカ大陸の貧困撲滅に向けた団体を幾つも立ち上げ、自らG8の首脳を説得して周り、1,000億ドルものアフリカ国家に対する債権放棄に合意させる事にも成功している。その後もBonoは音楽界、芸能界だけでなく、政界そして財界にも多大なる影響力を及ぼす人物として注目され、for-profit, non-profit併せ、一人で数百億単位の経済効果を生むまでになっている。U2は今日に至るまで結成当時と同じメンバーのまま、常に新しい音楽を追求する活動を続けている。


    このEntrepreneurial Leadershipという授業は、古くは鉄道王Jay Gouldから現代トークショーパーソナリティのOprah Winfreyまで、それぞれの時代を彩ったentrepreneur達の育った環境や時代背景、受けた教育、周囲に居た人物から受けた影響等について深く観察する事で、文字通り世界を変えた人達 - leaders who changed the world - に共通する資質やその成果を支えた原動力を学ぶ事が目的。今日のケースで言えば、Bonoは何をきっかけに貧困撲滅に力を入れるようになったのか?一介のミュージシャンがどのようにG8にまで影響を与えられるようになったのか?U2のボーカルというアイデンティティ、更に2児の父という側面も持ち合わせながらどのようにこれだけの大きな社会貢献を成し遂げたのか?と言った質問がディスカッションの中心だ。

    Bonoは幼い頃に両親の宗教の違いによって生じた家庭内の軋轢が原因で父親との不仲が発展し、その捌け口を音楽に求めたと後に語っている。結成当初のU2の音楽は荒く、何かを訴え続けている事だけが目立ち、幅広い支持を集めたわけではなかった。それが徐々に洗練され、The Joshua Treeで世界中の人々とつながった時、何かが彼らの人生で大きく変わった。Bonoは父親から認められたい、自分の声を聞いて欲しい、という心の叫びから開放され、自分達の音楽が父親どころか世界中の人々に届いているという事に気づいた。元々金や名声が欲しくて音楽活動を始めたわけではない4人に取って、突然の脚光は一時の戸惑いを生んだものの、乗り越えた蟠りの大きさとそれによって手に入れた力に気づいた時、『もっと大きな目的の為に音楽を使おう』という決心が芽生えた。

    ここまでディスカッションが進むとKoehn教授はチョークを置き、ゆっくりと話し始めた。

    ちょっとしたきっかけで5年前に姉に無理矢理勧められ、乗馬を初体験する事になった。

    最初は乗る事さえ怖かった。なんとか乗れるようになってからも、何度も振り落とされて怪我もした。

    5年経った今では、競技乗馬に出場する程まで上達する事が出来た。最初は障害も30cmの高さで小学生に混じって練習していたのが、もうすぐ4フィート(約1.2メートル)の障害、つまり私の年齢相応の人達と対等のレベルに挑戦出来るようになる。

    ここまでならただの小話に過ぎないのだが、彼女が本当に言いたかったのは、何故最初に怖いと思ったのに乗ろうと思ったのか、何故振り落とされながらも競技乗馬に挑戦しようと思ったのか、という事だった。

    一度きりしかない、魅力と冒険にあふれた貴重な人生をどうやって過ごすのか。

    不安や恐怖を克服した先には必ず大きな世界が開けているという事を、この授業、そしてこの学校が教えてくれたはずだ。

    恐怖を避けて通るのでなく、直面し、歩き抜く事。

    それが後で振り返って胸を張れる生き方だ。

    私は、逃げない。

    今までも、これからも、恐怖に立ち向かい、歩き抜いて生きて行く。

    3週間前に乳がんという最大の恐怖を宣告されながらも授業を中断せず、最後まで俺たちに必死に何かを教えようとしてくれたNancy Koehn教授が最後の授業で最後に言ったこの言葉は、きっと一生忘れる事は無いだろう。
    b6778e86.jpeg

     …という間に12月!

    2年目になってからほぼ何も更新していない状態に今更気づき、呆然。
    何もやっていなかったわけじゃないのだが…

    それにしても大手金融機関の連鎖破綻、初の黒人系大統領当選、ひいては自動車業界への公的資金注入など、激動の時代にアメリカに居れる事に感謝。授業以外の面でも学ぶ事が一杯です。
    ECが始まって早1ヶ月が経とうとしているが、全くblogが更新できていなかった。学校が始まってもなかなかリズムがつかめず、なんとなくダラーっと夏休み気分を持ち越したまま何週間か過ぎて行ってしまったが、ここにきてようやくまた去年のケース漬けの生活に慣れつつある。

    というわけで、ECに関してこれまでの雑感:

    <良い点>
    ・自分で授業を選択しているだけに、どの授業も非常に興味とモチベーションを持って臨める
    ・RCは必要最低限のoverviewをさらっと流した印象だったのに対して、ECはテーマを絞って深く掘り下げている為、内容がpragmaticで明確なtakeawayが多く、知恵が身になっているのが実感できる
    ・本質的な学びは教授に左右されないと思っているものの(disruptive innovation等の理論を中心に学ぶBSSEが良い例)、今のところECの教授陣は素晴らしいの一言に尽きる。教え方や知識の深さは総じてRCに比べてレベルが上だし、キャリアやプロジェクトテーマの相談にも快く応じてくれる人間的にもデキた人が多く、卒業後もコネクションを保ち続ける事でいざという時に助けてくれそうだ

    <悪い点>
    ・どの授業も面白いだけに、どのケースもそれなりに準備に時間をかけてしまう
    ・最後の最後にハードスキルをもうちょっと強化しようという事でBusiness Analysis and Valuationという授業を聴講する事にしたのだが、このおかげで毎日3ケース読まなくてはならない事に。これは非常に辛い
    ・授業の内容は面白くても、一緒にクラスにいるメンバが去年のsectionのメンバではないので、なんとなく雰囲気的にイマイチ乗れない

    去年は(特に最後の方)、学んだ事はあまりblogにかけていなかったので、今年はもうちょっと学習に直結するような内容を更新していければと思う。
    2年目の秋学期スケジュールが決まった。

    1年目が全く授業を選択できないのに対し、2年目は全てが選択性で初めて自分のやりたい事を中心に授業を選べるようになる。2年目のコースはX-ScheduleかY-Scheduleのどちらかに分かれており、基本的に月曜と火曜がX-Schedule、木曜と金曜がY-Schedule、水曜はXとYが交互に来る構成になっている。全ての授業をXかYのどちらかに寄せたくなるが、4科目以上をどちらかに設定出来ない仕組みになっている為、基本的には「休日」を作る事は出来ない。

    俺は
    ・Entrepreneurship
    ・Globalization
    ・Finance
    をコアテーマに授業を選択した結果、次の通りになった:

    <X-Schedule>
    ・Private Equity Finance
    ファイナンスのハードスキルを強化したいと思って取ったコースだが、蓋を開けてみると実際はプライベートエクイティ投資のディール発掘、投資意思決定、 ファイナンシング、マネジメント、エグジットというライフサイクルに沿ったオーバービュー的なコース。Scharfstein教授もこのコースを教えるの は初めてでまだ慣れていないようだったが、キャリアの幅出しにはちょうど良いと思い、dropせずにキープ。

    ・Building and Sustaining a Successful Enterprise(BSSE)
    HBS看板授業の一つで、「イノベーションのジレンマ」の著者、クレイトン・クリステンセンの理論を元に長期的に企業が繁栄する為の条件や戦略について見ていく。クリステンセン自身も冬学期に1コースだけ受け持っているが、当選倍率7倍以上の大人気授業なので、あえて避けて他の教授を選択。4つも枠がありながら、最初のpre-registrationではそれさえも漏れてしまっただけに、add/dropでなんとか取れてホッとした。

    <Y-Schedule>
    ・International Financial Management
    多国籍企業ならではのクロスボーダーM&Aや為替リスク/ヘッジ等の財務戦略について学ぶ。Desai教授は教え方が非常に丁寧で、ファイナンス 初心者でもついて行けるようstep-by-stepで教えてくれるし、かたやヘッジファンドで為替トレーディングをしていたような経験者には実体験に基 づいた現場での応用を解説してもらうと共に、普段はそこまで考えないであろう、投資ロジックや意思決定の過程を一つずつ紐解いて行きinsightを付け 加えて行く。Desai教授は1枠しか受け持って無かったがどうしても取りたかったので高めにbidした結果、無事取れた。

    ・Entrepreneurial Finance
    名前にファイナンスとついているが、実際は1年目のTEMの延長のような内容で、deal valuationを除けばあまりファイナンスと関係が無い。事業機会の発掘、スタートアップに必要なチームスキル、exitの機会や戦略等について見ていく。実際のアントレプレナーが半分くらいの授業に来るので生の体験談が聞ける貴重な機会となる上、エネルギーと情熱に溢れた教え方が魅力のLassiter教授は看板教授の一人で、最も楽しみな授業の一つ。

    ・Leading Teams
    HBSに来た以上LEAD系も履修しておかなくてはと思って取った授業。この授業は1年目のLEADの延長で、会社という大きな単位より、卒業してすぐ使えるような小さなチームや組織を率いる上でのチャレンジやテクニックについて検討する。本音を言うと他にあったMoral LeaderやConsumer Marketingの方が履修したかったのだが、前者は人気の為overbooked、後者はキャリアに直接関係が無いので結局そのままこの授業を取る事にした。ただ、友人も多く履修しているし教授も教え方が上手なので、不満は無い。

    全体的にコース構成には非常に満足。また、毎日午後1時までには授業は終わるので午後が有効に使える日も出てくるだろうし、勉学以外の活動も今年は積極的に挑んで行きたい。
    062e1228.jpgGoogleが9月1日にChromeというコードネームの新ブラウザを発表した。

    今までの製品がそうだったように、まずリリースしてしまい、それからユーザの反応を集めて随時修正していくのだろうが、Firefoxとも強力なパートナーシップを締結していただけに、突然のブラウザ発表はきっと驚きなのでは。周囲の反応が気になるところだ。

    使ってみたところ、恐ろしく早い。こんなに快適なwebサーフィン初めて…と言いたいところだが、機能性の面ではまだまだIEやFirefoxには見劣りするので、浸透するのにはまだ時間がかかると思われる。しかし、シンプルさにこだわった外見とユーザ体験を追及する為に極限まで無駄を排除した作りはGoogleらしく、通常ウィンドウの上に現れるメニューバーさえない。その分ショートカットキーは充実しており、IEやFirefoxで使えるものはほとんどそのまま使えるようになっている。これからどんどん良くなっていく事が期待できるので、是非お試しあれ!

    お久しぶりです。
    今日からいよいよ2年目の始まりという事で、blog再開。

    夏休み中はインターンで書けない事が多いのとプライベートな旅行が中心になる事が判っていた為blogは元々中断する予定だったものの、気づけばJapan Tripの東京編だけ更新した状態で途絶えてしまっていた。今後も時間を見つけてJapan Tripの分くらいはなんとか更新していきたいと思う。

    インターンの事について軽く触れておくと、1年目で学習した内容の総集編となる、非常に貴重な経験を積む事が出来たと思う。我武者羅に走り続けた1年間でじっくり何が学びだったのか振り返る余裕も無かったものの、実際に現場に出て学びを実践する事は大きな自信につながった。

    今日は学長Jay Lightや生徒会長のwelcome speechの後、昨年1年間過ごした教室、懐かしのAldrich 108へ。そこで3ヶ月ぶりに旧友達と再会し、夏の出来事や近況について報告しあう。中でも、この夏で婚約・結婚・妊娠・出産等のビッグイベントを経験したsectionmateが6人も居て、皆から盛大に祝福を受けていた。あっという間に時間は過ぎていき、気づけば既に次の予定に遅れてる。

    急いで向かったのは、今年入学したClass of 2010の皆さんが集まっているSpanglerの食堂。ここで新入生のlearning team何組かと会い、うまい事1年間通してlearning teamを活用し続ける為のコツみたいなものをちょっと伝授したりする。こういうと偉そうに聞こえるが、別に俺が何か特別な事をしていたわけでは決してなく、単純に最初からlearning teamからの学びに対する期待値をみんなであわせる事が出来たのと、純粋に一緒に居て楽しかったからのような気がする。そう話すとみんな「なーんだ」みたいな顔をするもんだが、知っている限りで長続きしなかったチームは「出来ればもうちょっとのんびりしたペースでやりたい」だとか「今週は就職面接が一杯詰まってるから、あまり会合には参加できないかも」みたいな、本音ベースの希望や期待を素直に話せていなかったところが多かった気がする。

    さて、その後は本日のメインイベント、今年のfantasy footballドラフト会議を実施すべく、ビール1ダースを片手に我らがsection presidentのMax邸へ。Fantasy footballはNFLの実在選手の実際の試合成績を元に選手に点数がつけられていく、インターネットをプラットフォームにしたバーチャルゲーム(無料)。友達同士でリーグを作り、勝手にそれぞれが自分のチームに「○○チームの××選手」を「ドラフト」していく。どのチームからどの選手をドラフトしてきても良い決まりの為、最終的に自分のチームは実際にはバラバラのチームに所属する選手の集まりとなる。最終的にはシーズンが終わった時点で、最も点数を多く稼いだ選手が多いチームが優勝となる。なので、コツは
    ・点数のつきかたの仕組みを理解する事
    ・選手の能力やコンディションを逐次理解する事
    ・他のプレイヤーの動き方も踏まえたドラフト戦略を練る事
    が重要となってくる。実際、点数のつきかたは非常に複雑で、本物のアメフトのルールを覚えるより大変だ。

    ちなみにこの"fantasy"は野球やバスケにも拡がっており、俺もNFLのfantasyに参加するのは今年初めてのものの、長年college football / basketballのfantasy leagueには参加している。今ではESPNやYahooをはじめとする大規模コミュニティサイトが母体となってfantasyのサービスを提供しているが、一時期、日本にこの仕組みを導入できないか真剣に同僚と検討した事があった。今では日本人のfantasy人口も増えているそうなので目の付け所は悪くなかったようだ。

    1時間半後、それぞれ15人の選手をドラフトし、各自のチームが決定。しかも今回ドラフトしたこのチームは3年間固定で毎年成績を競うという決まりを取り入れる事にしているので、卒業後もfantasyを通じて皆との繋がりを維持する為の仕組みにもなっている。

    いよいよ今年もアメフトシーズン、そしてMBA生活2年目のキックオフです。
    5月24日から6月1日までの間、日本人含めて学生140人を引きつれ、日本中を旅行してきた。このJapan Tripは当校でも最大規模の学生主催イベントで、毎年恒例で1年生が企画し、期末試験終了直後に行われている。我々在学日本人1年生一同も昨年の11月から着々と準備を進め、ようやくこの度実行に移す事ができた。俺は他にもやりたい事があった為、そこまでコミット出来ないと判っていたので最初からそう明言していたのだが、同じように授業や学校生活で忙しい中このtripの為に多大なる情熱を持ってフルにコミットして取り組んでくれた同級生には最大限の敬意を表したい。おかげで参加者にとっても、我々企画者にとっても、一生の思い出に残るすばらしい旅行となり、1年目を締めくくるのに相応しいビッグイベントとなった。

    ■東京(Day 1~Day 4)
    e8e45671.jpg まずは初日に六本木のAIにて盛大なwelcome partyでキックオフ。HKとKNがそれぞれ侍と忍者のコスプレで登場しだるま落としゲームで盛り上がり、参加者同士で打ち解けた後は、スモールグループにバラけて街中へ。しかしさすが大枚はたいて日本に来ているだけあって皆expectationは高く、六本木を見て『これは外国人向けすぎて、我々が期待していた日本とは違う。もっと「これぞ東京」みたいなところを見てみたい』というので、とりあえず渋谷の平凡な居酒屋に連れて行くと、ひとまず満足した様子。店にかかっている暖簾や掘りごたつみたいな些細な事でもいちいち『オォー』と感心してパチパチ写真を取り捲る。この日はさすがに皆到着したばかりとあって疲れており、1時過ぎには帰宅。怒涛の9日間の旅は、このように幕を開けた。

    DSCF0009.JPG 翌日は観光バスで東京タワー、皇居、浅草寺を観光。行く先々で『あの建物は何だ』、『風神と雷神とはどんな意味があるんだ』、『天皇は皇居にいる時は何をして過ごしているんだ』だの、質問の嵐。しかも恥ずかしい事に、殆ど答えられない。昼には『日本らしい食事をしたい』と皆が言うので浅草の老舗蕎麦屋に連れて行く。蕎麦ならベジタリアンでもイケるかと思ったが、ダシにカツオを使っている為、食べられるものを探すのに一苦労。結局野菜のてんぷらや漬物を出してもらい、蕎麦はそのまま素で食べてもらう事で何とか落ち着いた。浅草を出た後は相撲の千秋楽を観戦。俺も相撲をナマで見るのは初めてなので、既に琴欧州の優勝が決まっていたとは言え、純粋に楽しめた。また、今回のtripにはブルガリア人夫婦も参加しており、母国の英雄の活躍っぷりにえらく興奮していた。

    その後はそれぞれオプションで登録していたディナーに参加。俺はRUと一緒に寿司の食べ放題を引率する事になっていたので、両国から20名近く引き連れて銀座へ。寿司の食べ放題は入るのは初めてだが、既にアメリカの固い寿司を食べなれてしまっているせいか、日本の寿司は小さくも繊細で美味しく感じた。夜は一旦ホテルに戻った後、sectionの連中数名と飲み直し。翌日は朝早いからと判っていつつも、久々にケースの予習に追われない感覚にも助けられ、ついつい深夜まで飲んでしまう。

    fa5ead1c.jpg 3日目は超ハードスケジュール。まずは朝5時に集合して築地市場見学。残念ながら競市は団体客お断りの為見学させてもらえなかったが、何名かは個人観光客に扮してうまく潜り込んで見物できたようだ。朝食を場内の魚屋で取り、朝の7時から豪勢なマグロ丼と生ビールで乾杯。するとちょうど南海キャンディースの山ちゃんがテレビの取材で我々が入っていたお店に入って行くではないか。単純に一緒に周っていた人数が全員入れるお店に入っただけだったのだが、どうやら割と評判のお店だったようだ。お腹が一杯になったところで場外をぐるっと見学し、一旦ホテルに戻る。

    その次は企業訪問。本当は築地と企業訪問の合間を縫って明治神宮と原宿を連れて周る予定だったのだが、かなりの過密スケジュールだった上、この日の東京は30度の高温で、ビジネスカジュアルで汗びっしょりになりながら急いで歩き回るのは得策でないと考え、直前になってやむなくキャンセル。参加者からは落胆の声もあったが、体力的にもこのスケジュールで周るのは無理だったと後で実感。企業はMicrosoft Japan又はNTTドコモのどちらかを選択する方式だったが、ちょうど半々くらいに分かれたので良かった。自分はNTTドコモの方へ参加。溜池山王近辺で昼食を取る為に少し早めに出たが、何せあれだけ豪勢な朝食を取ったばかりの為、全くお腹は空いていない。そこで、同じsectionのTulika、Swapnil、Auroraと一緒にTBSや赤坂の方までブラブラ歩き回り、喫茶店でお茶だけ飲んだ後は日枝神社を参拝。東京のど真ん中にこんなに立派な神社がある事に皆驚いていたが、仕方ないとは言え、境内とエスカレーターという組み合わせは個人的には違和感を覚えざるをえない。それでも皆やはり神社に行くと日本の赴きを感じる事が出来るので満足したようで、ようやくここでNTTドコモ社内へ。

    講演をして下さった辻村副社長は川の向こう側のMIT Sloanの卒業生で、自己紹介でそれを言うとライバル校の登場に、会場一同でなんとブーイング。通常日本では考えられない光景だが、これは勿論ジョークの意を込めたものなので、辻村副社長も笑ってかわす。講演内容は、日本企業のイノベーションスピリットを世に知らしめる、素晴らしいものだった。携帯の技術では日本は米国の何歩も先を行っており、アメリカで大ブレークしているiPhoneも技術的に見れば優れたユーザインタフェースを持っている事以外の真新しさは無い。NTTドコモは『ポケットに入るもの全てを携帯に集約する』というコンセプトでおサイフケータイやクレジットカード機能等の新しいサービスを順次展開しており、それに付随して情報漏えい、スパムメール、セキュリティ対策等の社会的責任を果たす側面でもかなり先を行っている。参加者一同は極東の島国で展開されている未来の情報技術の先進性と、辻村副社長のコンサイスでありながら誠意のこもったプレゼンと質疑応答に非常に感銘を受けたようで、惜しみない拍手を送っていた。その後は幾つかの小さなグループに分かれてショールームを見学した後、レセプションパーティが行われる新生銀行へ移動。

    新生銀行のThierry Porte会長も、当校の卒業生。新生銀行に来る前はMorgan Stanleyの東京オフィスを指揮っていた。冒頭のスピーチに代えていきなり質疑応答を始めたのは面食らったが、さすがはBaker Scholarにして日本滞在20年。どんな質問にもマクロ的な視点と自身の豊富な日本の金融業界での経験を織り交ぜて、率直な意見を述べてくれる。ちなみに未だに日本語は上手でないそうだ。内幸町にあるビルの20Fからの景色は格別で、全面ガラス張りのフロアからは皇居、東京タワー、六本木ヒルズ等、東京の名所がことごとく見える。俺も食事や景色を楽しみたいところだが、このレセプションには今回のtripのスポンサーを引き受けて下さった各社も出席しており、挨拶と御礼を言って回っているうちにいつの間にか閉演となってしまった。

    DSCF0015.JPG お腹も空いたし疲れてもいたが、夜はまだまだ続き、この後は銀座のカラオケへ。意外とカラオケ初体験という人も多かったが、皆ノリノリで歌いまくる踊りまくる。せっかく日本に来たんだから日本の歌もちょっとは知ってもらわないという事で、我々日本人もブルーハーツのリンダリンダを熱唱。『リンダリンダ~♪』のサビが外国人にも判りやすく、ノリも良い曲なのですぐに皆も覚え、一緒になって歌い出す。一部の『ハマリ組』は歌い足りないとの事でそのままカラオケに残る事にし、残りの大部分は麻布のYellowというクラブに向かったが、俺はまずRUとMK、そしてEduardoと少し空腹を満たすべく、新橋の博多天神へ。長い一日だった事もあり、久しぶりのトンコツラーメンは身に染みて上手かった。しかし、まだ終わったわけではない。この後はAurora、Swapnilも合流して我々も先発隊を追いかけ、Yellowに向かう。しかし、どこをどう探しても見つからない。そこで通行人何人かに場所を聞いてみたが、何故か皆口を揃えて『あそこ、閉鎖したと思うよ』と言うので、仕方なく諦めてホテル近辺まで戻り、普通の居酒屋へ。時間は既に2時近く。朝5時から築地に行っているので、本当にハードな一日だ。最後はもうどうホテルに戻ったのかさえ良く覚えていない。

    DSCF0042.JPG 4日目、東京最終日は全員参加のイベントは無く、ほとんどがオプション。さすがに昨日のハードスケジュールが応えたのか、六本木ヒルズ・渋谷を散策するツアーの集合時間には、かなり欠席者の姿が目立つ。午後はそのままSONYを訪問する事になっていたので、それだけには絶対遅刻しないでねと留守電にメッセージを残し、出発。俺は本来自分のSection Iに加えてSection Cも同じ班として案内を受け持つ事になっていたのだが、どういうわけかSection Cだけ全員欠席で、うちのSection Iは皆勤賞。親しい仲間のみになったという事で、単に名所を回るだけでなく、もうちょっとプライベートなツアーにしてみた。みんな買い物には興味が無いし東京の眺望は東京タワーで既に見ているので六本木ヒルズはほどほどにし、それより日本の高級住宅街、元麻布を連れて歩く事にした。六本木通りの忙しさから一本奥まった通りになるだけで、見違えるような静寂さと佇まいを体験できる事に皆驚き、喜んでいた。他にもちょっと変わったところで、部屋の中にアートを飾った住宅展示場を見学したり、近所で評判の抹茶ソフトクリーム屋に行ったり、日本のマッサージ屋に行ったりと、なかなか定番のコースでは味わえないところに連れて行ってあげる事が出来、皆もとても喜んでくれた。

    渋谷の探索が終わり、一旦ホテルに戻ってビジネスカジュアルに着替えた後はSONY本社を訪問。昨年は1回しか使わないのにスーツの持参が必要だったのが不評だった事もあり、今年は各社と交渉・調整してtripを通じてスーツは一切不要にしてもらった。SONYは毎年ショールームが好評なのだが、今年は残念ながら他のグループが先に予約していたようで、見学が出来なかった。プレゼンはコンシューマプロダクツ担当の井原副社長、そして最近HD DVDに対して勝利を収めたBlu-Rayの戦略担当部長も出席下さり、今後のSONYの戦略やVHS-ベータマックス戦争の経験を踏まえてどう今回HD DVDに打ち勝つ事が出来たのか、等について語ってくれた。井原副社長はStanfordの卒業生らしくアントレプレナーシップスピリットが豊富で、これまでもソニーエリクソンのジョイントベンチャー立ち上げ等を成功に導いており、この先もuser experienceにフォーカスしたイノベーションをどんどん生み出して行きたい、と力強く言っていた。また、最後には『適した人材に、適した仕事をさせるのが何よりも成功の秘訣だ』と皆へのメッセージを残し、プレゼンは終了。ショールーム見学が無くとも、十二分にSONYの真髄が皆にも伝わる内容だと思えた。

    この日も俺は夜のディナーに借り出され、一旦ホテルに戻って着替えた後はDisney Seaへ。ここはDisneyの中でも唯一お酒が飲めるのと、海をモチーフにしたテーマパークは日本にしか無いとの事で、結構多くの人が参加。平日の夜なので客の入りも少なく、乗り物の列も殆ど並んでいないので快適。EC(2年目)にしてBaker Scholarを取得したDannyと妙に意気投合し、最後はTower of Terrorに二人で乗るも、やはりディズニーなので通常のフリーフォールに比べると若干物足りない。翌日は早朝新幹線に乗って名古屋に移動するので、皆に夜遊び自粛を呼びかけ、自分もこの日ばかりは大人しく部屋に戻って荷造りし、東京最後の夜を終えた。

    次回はトヨタ・京都編です。
    あっという間に、今日が1年目最後の授業の日。今日が終われば、残るは来週の期末試験3教科のみ。

    最後の1週間を除き、1年間毎朝集まり続けたlearning teamで最後にもう一度集まろうという事で、今朝は久々にGrilleに6人全員で集合。Robは年明け頃から朝のミーティングには来なくなってしまったが、皆で行くディナー等のイベントには必ず来てたし、チームとしての一体感はずっと保ち続けられたのではないかと思う。元々みんなそんなに真剣になりすぎるタイプではないので、勉強仲間というよりは気の合う相談相手という感覚でこれたのが、最後まで続けられたポイントだった気がする。今日はケースも無いので、完全にそれぞれの最近の出来事や夏の予定、来年の授業選択や就職等の私情について話し合った。6人中、まだ1人だけインターンシップが決まっていない人がいるのは心残りだが、今日も来週もインタビューがびっしり詰まっていたし、最終的には何とかなると信じている。また、やろうやろうと思いながら、結局みんなを一度も自宅に招待できなかったので、来年以降の課題として持ち越したい。



    本日最初の授業は、BGIE。Comin教授は去年までNYUで経済学を教えており、今年からこの学校にやってきてケースメソッドでの授業に初めて触れた。初の授業ではガチガチに緊張しているのがはたから見ていても明らかで、その授業で初のコールドコールを食らったHalahはなんと18分以上もしゃべらされ続けていた。その後もディスカッションの制御がままならず、授業のピントが絞れないまま発散しまくる事も多発し、我がsectionでの不満は爆発寸前で、section chairミーティングで『先生を取り換えてもらう署名活動は出来ないのか』など、かなり過激な策を提案する学生も居た。勿論、高い授業料に加え、機会損失のコストも考えるとハンパでない金額がかかっているので高いレベルを期待するのは当然と言えば当然なのだが、俺はちょっと違うんじゃないのと思い、その時はこう言った:

    『教授によってディスカッションの盛り上がり方やポイントの抑えやすさに違いが出てくるのは同意するけど、これまで振り返ってみても、教授に教えてもらっているという感覚は個人的にはあまり無い。俺に最も大きな学びを与えてくれたのは間違い無く君たち、sectionの一人一人のコメントや指摘だ。だから俺は、今まで会った中で最もinterestingでintelligentな89人に囲まれて毎日過ごせる事に何よりも感謝している。経験豊富な教授も居れば未経験の人だっている。でも、それにここでの学びが依存しているとは、俺は思っていない。むしろ、教授だからと言って完璧じゃないんだし、もしケースに慣れていないのであれば長い目で見てあげて、本人の為にも後世の為にも逆に俺達にその成長を促す義務があるんじゃないのか』

    この時の俺のコメントが皆の心に響いたわけでは決してないと思うのだが、結果的にComin教授は皆から愛される、大人気教授となった。先日行った、2年生の時に1日だけ授業を受け持ってもらう教授を選ぶ投票でも、なんと堂々の3位に入っていた。教え方が他の人気を集めていた熟練教授のレベルに達したというわけでは決してないのでこれには正直びっくりしたのだが、それでも常に一生懸命で、授業の進め方が回を進める度にどんどん良くなっていっているのを客観的に見ているのは気持ちが良かった。

    今日は本人曰く『自分のキャリアで最も辛く且つ最も楽しかった4ヶ月間』の締めくくりという事で、奥さんと1歳の息子も登場。一通り昨日の授業、そして1学期を通してのwrap-upをした後で、この4か月が自分にとって本当にtransformational experienceであった理由を話してくれた。

    まず、今までは『学生に教えている時間=自分の研究に費やせない時間』としか捉えていなかったので、教えるという行為は完全に無駄な時間だと思っていたが、それはこの上なく大きな間違いだったという事に気付かされた。教授主導でなく、学生によって形成される授業内容はローラーコースターの如く方向性を読むのが難しい上、これまで全く考えもしなかった質問や問題を提起される事が毎回のようにあり、目から鱗が落ちるばかりだった。毎回、丸裸のさらし者にされているという感覚は謙虚にこれまでの自分を見つめ直し、『教える』という行為について大きく考えを改めさせられる素晴らしい機会となった。

    また、ケースメソッドという、これまでレクチャーしかやった事が無い身にとっては崖からバンジージャンプするのと同じくらい不安な体験だが、それを初めて受け止めてくれるのがこのsectionで本当に良かったと思っている。君たちは辛抱強く、温かく、そして前向きに僕をサポートしてくれた。これから先、僕はきっと何組ものsectionを受け持ち、その度に新しい学びはきっとあるだろうけれど、何も知らない自分に付き合ってくれ、何物にも代えがたい経験をさせてくれたClass of 2009 Section Iの一人一人を、僕は一生忘れる事は無い。教えるという行為によって学生とこんなにもpersonalな繋がりを構築出来るという事を教えてくれた職場に出会えた事に、心から感謝している。

    DSCF0070.JPG学生だけでなく、教授にもtransformational experienceになりうるというのは、考えてもみなかった。でもだからこそここの教授陣は皆エネルギーに溢れていて、『教える』という事に情熱を燃やしているのだろう。いつか先輩のIさんが言っていた『他校との最大の差別化要素は教授の質』という言葉の意味が、ようやくちょっと判った気がした。Comin教授が持ってきた拡大印刷された席次表に全員でサインをして渡すと本人はこの上ない笑みを浮かべ、最後にもう1回『ありがとう』と言い、スタンディングオベーションの中、教室から出て行った。


    DSCF0097.JPG最後の授業が終わった後は全員で教室の中心まで移動し、1年間神聖な教育の場だった教室が一転してダンスフロアに早代わり。最後だからと言って感傷的になっている人は全くおらず、皆心の底からこの先一生付き合っていける友人が89名出来た事の方がよっぽど嬉しいようだった。自分も、1年間で何を学んだのか、それがどのように活きていくのかという事は正直まだ良く判っていない。判っているのは、learning teamとsectionの同士をはじめ、世界中どこに行っても電話一本ですぐにかけつけてくれる仲間がたくさん出来た事は一生の財産になるという事だけだ。

    今日は本年最後のMinner。Winner(Women's Dinner)も同時開催されており、sectionとして今年最後のビッグイベントとなった。

    その前に久々にPre-MBAのメンバでも集まって飲もうという事になっていたので、まずはHarvard SquareのRed Lineへ。中にはPre-MBA以来全く話していない人もいたので、1年ぶりの進展を互いにシェアする。1年ぶりに話すからこそ良く判ったのだが、皆確実に英語がかなり上達していた事に驚いた。以前は明らかに考えながら慎重に話していた人も、今では流暢に洗練された表現を多用している。毎日毎日その場で考えて意味のある発言をする事が求められる授業のおかげで、相当鍛えられている事が判る。

    DSCF0057.JPG何杯か飲んでウォームアップしたところで、会場を移していよいよMinnerへ。今日の為に、これまでも数々のパーティを企画・実行してきたイベント仕掛け人のAdamがおいしいケータリングを格安で手配してくれた。最初は和やかに食事を取りながら始まったが、全員一言ずつ言いたい事を前に出て話しているうちに、そのうちテンションはどんどん高くなっていき、そのままflip cup大会へ。とにかく合計で50ガロン(約190リットル)もの酒を購入してあるので、皆飲みまくる飲みまくる。これまで参加率は70%くらいだったが、今日はほぼ全員が参加。最後という事でこのような集まりにはあまり顔を出さないメンバも来ており、ハメをはずし気味に楽しんでいた。

    途中から会場の外にはみ出してしまい、庭で飲み続けていたら余りにも騒ぎすぎて警察が介入するハメになったが、会場に再び戻った上で宴はまだまだ続く。

    昨日、Drew Tが『2年生になっても今年自分達が作った伝統や習慣を続けていきたい』と言ったとおり、1年生としてのMinnerはこれで最後だとしても、早くも2年生になってからの初Minnerがスケジュールされた。伝統と言えるかどうかは別として、少なくとも定期的に皆に会う機会が出来るのは、楽しみな事だ。
    同じsectionのChrisが特別に12年間過ごした海軍特殊部隊(NAVY SEAL)の写真や映像を見せてくれると言ったので、ランチの時間にZach、David、Martinを誘って見に行く事にした。

    NAVY SEALはアメリカの軍隊の中でもそのハードなトレーニングとこなす任務の危険度から、選び抜かれたエリート中のエリートの集まりとして知られている。Chrisは高校卒業後すぐにNAVY(海軍)に入隊、SEALに志願し、見事一発合格した。更に入隊して数年経った後にSEALの任務をこなす傍ら大学にも通い、ちゃんと学位も取得している。SEALの試験は実際は6ヶ月に渡る過酷なトレーニングで、最後までやり抜く事が出来たら合格となる。志願者はそもそも全員NAVYの6ヶ月に渡る基本訓練を修了しているし、中には元NFLの選手等もいるので、既に相当鍛えられている人達ばかりだ。しかしそれでも同期志願者126人中、最後まで残ったのはChris含めてたったの16人だったという。体力的に自分より数倍も勝る人が何人も脱落して行ったにも関わらず、時に1週間の睡眠時間が合計4時間で幻覚や幻聴が発生するというような過酷なトレーニングに耐え抜いた事で、精神力を持って挑めばどんな事でも成し遂げられる、という信念が定着したらしい。事実、Chrisは先日のボストンマラソンにも出場したが、あのツール・ド・フランスを6連覇した事でも有名なLance Armstrongをぶっちぎって2時間台の好タイムで完走している。

    Chrisは主にスナイパーとしてアフガニスタン、イラク、サウジアラビア等の中東地域を中心に活動していた。最後の数年は特にイラク武装勢力の排除や、新生イラク自衛軍の訓練等が主な任務だったらしい。なので、見せてくれた写真は主にイラクでのものが多かったが、驚く程近代的な建物や道が多く、一見生活レベルは途上国のものとは思えない程だった。ただし、いわゆるGreen Zoneと言われる非武装地帯と、武装勢力がいる地域は明らかに雰囲気が異なり、後者はやはり薄暗くてどこか寂しげなイメージが漂っている。他にはフセイン元大統領拘束後は住まいとして利用していた宮殿を活動拠点としていた事もありその内部の写真も見せてくれたが、純金の天井や置物に加えて巨大な屋内プール等もあり、庭にはライオンまで飼っている。いかに一人だけ一般市民とかけ離れた生活をしている事が良く判る。

    Chrisはイラク戦争での任務を始め数々の輝かしい功績を残しているのだが、俺が最も感心したのは12年間も最大の危険と立ち向かうSEALで最大21名の部下を率いる立場にいながら、一人の部下も死なせなかったその並外れたリーダーシップと状況判断力。実際、LEADやLCAの授業では何度もChrisの鋭い指摘でクラスが唸らされたものだ。この経験があれば、確かにビジネスの世界に出ても大抵の事には動じない座った肝が出来上がっているだろうと思える。

    どこからそのリーダーシップは育ち、養われるのかはハッキリと判らないものの、最後に見せてもらったビデオの中にその真意が見えた気がした。内容はMichael Monsoorという、イラクで犠牲になったNAVY SEALに対し、ブッシュ大統領がアメリカ国民にとって最高の栄誉であるMedal of Honorを授けるスピーチ(下部参照)。Monsoorは部下2名を助ける為に投げ込まれた手榴弾の上に自ら倒れこみ、爆撃を吸収して自分の命と引き換えに隊員に危害が及ぶのを防いだ。ChrisはMichaelとも良き友人であったらしく、Michaelの行動こそが自分が信じるリーダーシップそのものだ、と言っていた。

    自分の命を超えてより大きな目的を達成する事を優先するという事は、ビジネスの世界で自己保身でなく組織の発展を優先する行動様式や、自社の利益を超えた社会貢献を目指すミッションにも通じるものがある。世界最高の精鋭部隊で鍛えられたChrisは、sectionの中でも特に今後関係を保ち続け、動向を注目していきたい存在だ。

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